インデックス投資のバイブル3冊を比較 &概要紹介-どれを読もうか迷っている方へ-

投資

私がインデックス投資について読んだ本の中で、特にバイブルとして有名な3冊を紹介します。
内容に関するコメントは私見ですので、実際に読まれた方との意見の相違もあるかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
追記:2024年、新NISAが始まって改めて読み返したくなる本ですね

今回紹介する本はこの3冊です!
①敗者のゲーム
②ウォール街のランダム・ウォーカー
③インデックス投資は勝者のゲーム

3冊に共通のメッセージ

いずれも、「コストの低いインデックスファンドへの投資」を推奨している点が共通です。
特に以下のようなメッセージは、どの本にも共通して出てきます。

・投資コストの重要性
・リスク分散の重要性(時間・投資先)
・長期で見たリターンはインデックス>アクティブ
・個人投資家が市場に勝つことはできない
長期インデックス投資しか勝たん

大枠はこんなものです。
ボリュームの割に主張自体はシンプルだなぁとも思うかもしれませんが…笑
以下、それぞれの書籍について「3冊の中で比較した場合にどういう違いがあるのか」を念頭に、【特徴】【印象的な言葉】を紹介していきます!

①敗者のゲーム


敗者のゲーム〈原著第6版〉 (日本経済新聞出版)

【特徴】

文字が小さいため、ページ数以上のボリュームは感じると思いますが、言いたいことは上述の通りシンプルです。ライフサイクル別の具体的な資産配分の例などはほぼ出てきませんが、長期投資の心構えを持つために大事なことが多く書かれています。投資の軸がブレそうになった時に軌道修正をしてくれる一冊になると思います。
本書はインデックス投資の中でも、とりわけ株式全推しという印象です。インデックス投資では「分散」が重要視され、その流れで債券等を含めたバランス型が持つ強みが取りあげることも多いです。しかし、本書では長期でみた時の(インフレ率調整後の)投資収益率の観点で株式全振りに肯定的な側面もあります(当然、株式の市場全体への分散は必須という立場)。

【印象的な言葉】
・日々の市場動向は、「気候」にとっての「天気」と同様、それほど重要ではない
・投資で成功するうえでの最大の課題は、頭を使うことではなく感情をコントロールすることである
・投資はまず己を知ることから始まる
・個々のマネージャーは彼らの総体である市場に勝つことができない
・あなたの株は、あなたに持たれていることを知らない

②ウォール街のランダム・ウォーカー


ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 (日本経済新聞出版)

【特徴】

非常に分厚い分、歴史上の投機ブームで起こった失敗や、インデックス投資以外の手法についても解説しています。それらの問題点を挙げた上でインデックス投資の良さを語っているので、読むには苦労しますが説得力が増します。それにあたり、心理学的な視点で様々な実験結果を紹介しながら、「人間の心理がどのように投資に反映されるか」ということも示しているため、心理学の話が好きな人には良いかもしれません。
本書は、長期的なインデックス投資が最適解であるという立場をとりながらも、市場平均に打ち勝つための銘柄選択に必要なルールも提示している点が、他の2冊との大きな違いのように思えます。
また、仮想通貨やスマートベータ、リスクパリティ手法など最新のテーマについても詳しく解説されているので、難解な用語が多く苦戦するものの投資の幅広い分野について学べてよりインデックス投資に対する考え方が深まる一冊になると思います。

【印象的な言葉】
・株式の本質価値を正確に知ることは不可能だ
・自分はある程度結果を左右できるという幻想が、投資家をポートフォリオの中の負け犬銘柄にこだわらせるのだ
・他のプレーヤーを見回し、誰が「カモ」か見極められない時は直ちに立ち去るべきなのだ。なぜなら「カモ」は他ならぬ自分だからだ
・投資のプロですら、自分の成績をダーツを投げて当たった銘柄で運用した結果と比べた時、恥ずかしさのあまり穴があったら入りたいと思うことも多いに違いない

③インデックス投資は勝者のゲーム


インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法

【特徴】

3冊の中で最も読みやすいボリュームです。重要な箇所が太字になっています。
内容はとにかくコストコストコスト! 何度「コスト」という言葉が出てきたか分からないくらいにコストの重要性について言及しています。(コストの観点からETFに懐疑的な立場をとっている記述もみられます)
本書では、過大なコストさえ排除すれば債券比率の高いファンドであっても株式比率の高いファンドを上回るリターンを得られるという例を示すなど、①と比較すると、債券に対しても明るめであるように思えました。
本書から得られる印象としては、S&P500または(より分散させたい人は)バランス型ファンドを選んだあとは、「何もするな、そこにいろ」の言葉通り、防御に徹した姿勢を貫くことで最も効率的に富を築くことができるという点です。
後半には、引退の年齢に近づくにつれて株式→債券へ保守的なポートフォリオへ再構築するTDFを取りあげる等、アセットアロケーションやPFの分散について具体的な解説をいれています。

【印象的な言葉】

・投資にかかるコストを差し引く前では、市場に勝とうとすることはゼロサムゲームでしかない
・投資にかかるコストを差し引いた後では、市場に勝とうとすることは敗者のゲーム
・リターンについては時間が友となるが、コストについては敵になる
・ETFは、TIF をトレーダーのおもちゃに作り変えたものだ
・投資家は、防衛型のポートフォリオから得られる適度なリターンで満足すべきである

まとめ |どれから読むべき…?

この3冊中から強いて選ぶとすれば、
①敗者のゲーム ≧ ③インデックス投資は勝者のゲーム  かな…?(僅差ですが)

③インデックス投資は勝者のゲームは、読んでいて疲れにくいという点で一番読み直しやすいと思うので、とにかくサクッと一冊読んでみたい人はこちらで良いかもしれません。

②ウォール街のランダム・ウォーカーについては、最初に読むには情報量が多すぎて疲れてしまう
→1回読んで力尽き、内容を忘れてしまうこともあると思います。
ただ、読んでいて非常に面白いので、2冊目以降で1度は手に取ってみることをおすすめします

番外編『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』ジェイエル・コリンズ


父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え

ここまで散々、3つの書籍に関するコメントをしてきましたが、実は「インデックス投資でおすすめの本は?」と聞かれた時にまず紹介したくなるのは、
この『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』です
こちらもインデックス投資の心構えを一貫して主張していますが、単にインデックス投資というよりかは全体を通して経済的自立がテーマになっています。
初心者でも非常に読みやすい上、ユーモア溢れる表現もあり読み返したくなる内容です。
それもそのはず、この本は著者が10代の娘に向けてブログで発信したメッセージが元になっているからです。
他の本では見られない独特な表現が使われたり、同じインデックス投資推奨本でも他の著者と異なる考え方にフォーカスする部分もあり印象的でした。

色々と書きたいことはあるのですが、大きく脱線してしまうので、この辺りでやめておきます…
気が向いたら改めて紹介記事を書くかもしれません。

 

この記事を読んで、どれか一冊でも興味を持ってくれると嬉しいです
それでは!

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